どれだけ律を傷付けたか、計り知れない。

あれだけ仲良かったのに、病気になったという理由で俺から離れていった、なんて。



すぐに謝ろうとしたが、言葉が見付からず、自分の気持ちにも、すぐに整理がつかなかった。

そうこうしているうちに、完全に謝るタイミングを逃ししまった……。

気持ちの整理がつくことなんか待たず、たった一言、ごめんって言えば良かったのに。

そうすれば、もっと早く律と仲直り出来ていたかもしれない。
そうしたら律だってーー


俺達が高校でまた仲良くなったのは、たまたまテレパシーが使えるようになったから、そうじゃなかったら仲良くなることなんて出来なかった、なんて悩むこともなかったのに。



「何度謝っても、俺が律にしてしまったことは消えない。それでも、謝りたい。本当にごめん」


頭を下げて、何度も謝る。
今更こんな謝罪、自己満足にしかならないだろうけれど。



すると、頭を下げ続ける俺に、律はテレパシーを送ってきた。



《頭上げて。もういいよ》


頭を上げると、律は俺のことを見て、笑ってくれていた。