午前中ラストの競技は、俺と千花が出場する二人三脚だった。

自分達のクラスのブルーシートの上で、俺の左足と千花の右足を、指定の紐で尚也がギュッと結んでくれる。


「走れそうか?」

尚也にそう聞かれ、俺は「多分」も答えた。

尚也が結んでくれた足元は何の問題もない。
しかし、転ばずに走れるかどうかは疑問だ。
結局、部活が忙しくて練習はしていない。


「よし。じゃあ行こ、長尾!」

千花にそう言われ、俺達はトラックの指定場所まで移動する。
二人三脚で移動するのって、思っていたより難しいしもどかしい。
転んだりして千花に怪我させたらかわいそうだし、やっぱり少しは練習しておくべきだったかもしれない。