そしてやって来た、体育祭本番。
こういう日って、曇り空の気温がちょうどいいってよく言うけれど、今日は雲一つない快晴で、太陽はサンサンとしていて、風もなく、まあ暑い。
グラウンドのトラックの外側に、各クラスごとブルーシートを敷き、自分が競技に出場していない時は基本的にこの場所で待機さることになる。
「日に焼けちゃうよね」
ブルーシートに体育座りをしながら、憎たらしそうに太陽を見上げ、コーヤが言う。
「いや、女子みたいな発言すんなって」
「えー、だって嫌じゃん。日に焼けると痛いし。ーーあ。市川さん、それ日焼け止め? ちょっと俺にも貸してよ」
そう言ってコーヤは後ろに振り返る。
後ろには、千花と村田さん、そして律がいる。
「はあ? 嫌よ。これ、お姉ちゃんのハワイ旅行のお土産で、日本じゃ買えないやつなんだから」
「へー、凄い。尚更使ってみたい」
「嫌だって言ってんでしょ」
コーヤと千花がそんな会話をしていると、律がちょこんと俺の隣に座った。
そんな律から、ほんわりと花のような良い香りがした。
「律、何かつけてる? 良い匂いする」
すると律は笑顔で、千花の手元を指差す。
「そうか、あの日焼け止めの匂いか」
すると千花も、俺の方へとバッと振り返り。
「長尾も使う?」
「え、いいよ。ハワイのお土産なんだろ?」
「気にしないで!」
「いや、でも俺は日焼け気にしないから……」
コーヤには絶対に貸さないと言わんばかりの勢いだったのに、何で俺には貸そうとしてくるんだ。
……そう言えば、最近律と話してると、たまにこうやって千花が間に入ってくる。
嫌とかでは勿論ないんだけど、ただ俺が、もう少し律とゆっくり話したいなって思うことが多い。
こういう日って、曇り空の気温がちょうどいいってよく言うけれど、今日は雲一つない快晴で、太陽はサンサンとしていて、風もなく、まあ暑い。
グラウンドのトラックの外側に、各クラスごとブルーシートを敷き、自分が競技に出場していない時は基本的にこの場所で待機さることになる。
「日に焼けちゃうよね」
ブルーシートに体育座りをしながら、憎たらしそうに太陽を見上げ、コーヤが言う。
「いや、女子みたいな発言すんなって」
「えー、だって嫌じゃん。日に焼けると痛いし。ーーあ。市川さん、それ日焼け止め? ちょっと俺にも貸してよ」
そう言ってコーヤは後ろに振り返る。
後ろには、千花と村田さん、そして律がいる。
「はあ? 嫌よ。これ、お姉ちゃんのハワイ旅行のお土産で、日本じゃ買えないやつなんだから」
「へー、凄い。尚更使ってみたい」
「嫌だって言ってんでしょ」
コーヤと千花がそんな会話をしていると、律がちょこんと俺の隣に座った。
そんな律から、ほんわりと花のような良い香りがした。
「律、何かつけてる? 良い匂いする」
すると律は笑顔で、千花の手元を指差す。
「そうか、あの日焼け止めの匂いか」
すると千花も、俺の方へとバッと振り返り。
「長尾も使う?」
「え、いいよ。ハワイのお土産なんだろ?」
「気にしないで!」
「いや、でも俺は日焼け気にしないから……」
コーヤには絶対に貸さないと言わんばかりの勢いだったのに、何で俺には貸そうとしてくるんだ。
……そう言えば、最近律と話してると、たまにこうやって千花が間に入ってくる。
嫌とかでは勿論ないんだけど、ただ俺が、もう少し律とゆっくり話したいなって思うことが多い。