「何でですか」
「長尾の気持ちはよく分かる。先生だって、永倉が出場を希望しているのなら、そうさせてやりたいさ。でも、これは学校の方針だから。二人三脚だからっていう理由で安易に例外は認められない。それに、二人三脚こそ、声を出して、声を揃えて走らないと、何よりも怪我に繋がる種目だろう?」
ぐっ……と言葉に詰まる。
確かに、そうかもしれないけれど……。
頭ごなしに反対されるよりも、こうして優しく諭される方が、何だか反論しにくい。
すると、引き出しに入れていた携帯が、ブブッと震えた。
ちらっと画面を見てみると、たった今届いたらしい律からのメッセージが画面に表示されていた。
【ありがとう。もう大丈夫だよ】
……それを見て、俺は「分かりました」と先生に伝えた。
律の方を、余計に向けなくなった。
ありがとう、と言ってくれたけれど。
もしかしたら、期待だけさせて傷付けただけだったかもしれない……。
「長尾の気持ちはよく分かる。先生だって、永倉が出場を希望しているのなら、そうさせてやりたいさ。でも、これは学校の方針だから。二人三脚だからっていう理由で安易に例外は認められない。それに、二人三脚こそ、声を出して、声を揃えて走らないと、何よりも怪我に繋がる種目だろう?」
ぐっ……と言葉に詰まる。
確かに、そうかもしれないけれど……。
頭ごなしに反対されるよりも、こうして優しく諭される方が、何だか反論しにくい。
すると、引き出しに入れていた携帯が、ブブッと震えた。
ちらっと画面を見てみると、たった今届いたらしい律からのメッセージが画面に表示されていた。
【ありがとう。もう大丈夫だよ】
……それを見て、俺は「分かりました」と先生に伝えた。
律の方を、余計に向けなくなった。
ありがとう、と言ってくれたけれど。
もしかしたら、期待だけさせて傷付けただけだったかもしれない……。