七月がやって来て、カラッとした暑さが毎日続く。


「放課後のホームルームでは、今度の体育祭の種目決めを行なう。種目は先日渡したプリントに書いてある通り。各自、最低一種目は必ず出場だから、考えておくように! 以上」


担任がそんな連絡事項を発信したのち、朝のホームルームが終わる。


そうだった。うちの高校は、毎年七月に体育祭が行なわれるのだ。普通は十月とか十一月とか秋頃にやるものだろうけど、うちの高校はどういう訳だか、十月の文化祭に相当な熱を入れる為に、体育祭は行事の少ない七月に行なうことになっているらしい。


種目決め、悩むなあ。
最低一種目、最高三種目まで出場できるとのこと。

徒競走とか、綱引きとか、大繩とか、小学校の運動会に似た種目がほとんどだけれど、総合優勝したクラスには焼肉券がもらえるらしく、かなりガチ勢が多いと姉が以前、言っていた。


走るの好きだし、徒競走に出ようか。クラス対抗リレーとかも、他に希望者がいなければ出てみたい。

プリントを見つめて考えていると、


「あ、永倉。ちょっとこっち来てくれ」

と、律が担任に呼ばれた。