《何?》と律に返せば、少しの間の後、
《もう順位見たし、教室戻ろう》
と言われる。
どうしたんだろう。普段は、会話に割り込んでまで自分の意見を伝えてくることないのに。
とはいえ、順位は確認したし、これ以上ここにいる必要もない。
《そうだな、そろそろ戻ーー》
「ねぇ、長尾の得意教科は何なのっ?」
律とのテレパシーでの会話を、今度は市川さんーーあ、千花って呼ぶように言われたんだったーーに割り込まれる。
今は律とテレパシーで話してるから後で、とも言えず、千花の質問に答える。
「得意なのは数学かな」
「えっ、マジ? 私、数学苦手なの! 今度教えてよ!」
「え? ああ、うん……」
千花には悪いけれど、律を待たせているから早く会話を切り上げたかった。
でも千花は、自分の得意教科とか、数学が何で苦手なのかとか、色々と話を始めて、なかなか話が終わらない。
すると。
《……私、先に戻るね》
「あ……」
思わず、声が漏れた。
振り返った時には、律は俺に背を向けていて、教室の方へと向かっていた。
怒っては、いないよな?
でも、目も合わさずに行ってしまった。
教室に戻った直後くらいは、何となく律がよそよそしい気もしたけれど、次の休み時間に俺から何気なく話し掛けたら、いつも通り笑顔を向けてくれたから良かった。
《もう順位見たし、教室戻ろう》
と言われる。
どうしたんだろう。普段は、会話に割り込んでまで自分の意見を伝えてくることないのに。
とはいえ、順位は確認したし、これ以上ここにいる必要もない。
《そうだな、そろそろ戻ーー》
「ねぇ、長尾の得意教科は何なのっ?」
律とのテレパシーでの会話を、今度は市川さんーーあ、千花って呼ぶように言われたんだったーーに割り込まれる。
今は律とテレパシーで話してるから後で、とも言えず、千花の質問に答える。
「得意なのは数学かな」
「えっ、マジ? 私、数学苦手なの! 今度教えてよ!」
「え? ああ、うん……」
千花には悪いけれど、律を待たせているから早く会話を切り上げたかった。
でも千花は、自分の得意教科とか、数学が何で苦手なのかとか、色々と話を始めて、なかなか話が終わらない。
すると。
《……私、先に戻るね》
「あ……」
思わず、声が漏れた。
振り返った時には、律は俺に背を向けていて、教室の方へと向かっていた。
怒っては、いないよな?
でも、目も合わさずに行ってしまった。
教室に戻った直後くらいは、何となく律がよそよそしい気もしたけれど、次の休み時間に俺から何気なく話し掛けたら、いつも通り笑顔を向けてくれたから良かった。