桜の命のように短くてちっぽけな、たった一瞬。
儚い、一瞬。


わたしは確かに、あの日、名前も知らない少年に恋焦がれた。


熱が灯ることすらなかった、初めての恋だった。




あれからずっと、あの少年の優しい笑みを忘れられずにいる。


質の悪い魔法にでもかかったように。