あぁ、あったかい家だなぁ。


体と心から一気に疲れが抜き出て、脱力していく。

ここは、力を入れなくても、居られる場所。


わたしがわたしらしくいても、いい場所。




本当は、知ってる。



わたしの噂のせいで、おばあちゃんとおじいちゃんも近所の人から避けられて、嫌な思いをしていること。


わたしを嫌いになってもおかしくないのに、二人とも変わらずわたしに優しくしてくれている。



「莉子ちゃん」



おばあちゃんに名前を呼ばれ、緩んだ涙腺をなんとか引き締めた。



「今日はおばあちゃん特製カレーだよ。召し上がれ」


「いただきます」



スプーンを手に取って、一口食べた。

舌触りのいい辛味が、涙腺にちょうどよく絡まった。



「美味しい」



わたしのせいで、二人を傷つけてごめんね。


いつも大切に思ってくれてありがとう。



……ありがとう。