翌朝、いつも通りの朝餉(あさめし)をとっていると、二階からナスチャが起きて降りてきた。

「カオル、Good Morning」

「ナスチャおはようさん」

 ナスチャはスマートフォンを開いて、馨のインスタグラムをスクロールしてから、

「これは、カオルのですか?」

 指で示した先には、馨が前にアップロードしたグリーンのカスタムカブがあった。

「あぁ、それね」

 プライベートで乗っている、と伝えると、

「これでどこか行きたいです」

 どうやら、お目当てのスポットがあるらしい。