ひと仕切り食事が済むと、馨はアナスタシアを伴って汀橋の横須賀駅まで坂を下って、横須賀線から東海道線と根岸線を乗り継いで、秋葉原までやって来た。
(まぁ物は中野の方があるんやけど)
内心、馨は持論はあったのだが、来たばかりのアナスタシアと仲違いするのもつまらないと思ったのか、
「どこ行くん?」
それとなく水を向けた。
アナスタシアはキョロキョロと周辺を眺め渡しながら、メイドを写真におさめたりしていたが、
「ちがう」
とだけ言った。
何か違うらしい。
が。
それが何であるかは、馨には臆測すらつかない。
このようなとき、
(…せや!)
例の翻訳アプリで何が違うのかを訊いてみた。
すると。
「グッズを探したい」
というような反応であったから、
「それなら、中野のブロードウェイで探してみる?」
馨は再び訊いた。