ショーウィンドウに映る母の顔に手を伸ばす。

ガラスの頬をなぞる。
もう永遠に触れることのできない母の顔。

「お母さん。私、独りだよ……」

胸がしめつけられて呼吸が苦しくなる。

ブブンッ。

手首に振動がはしった。
腕をかざすとスマートウォッチに“100”と表示されている。
私の顔、いや、母の顔で反応してしまったのだ。
百顔目として。
この結果は死神のスマートフォンにも当然反映されているはずだ。

視線をずらすと、私の右背後に立つ死神の姿がショーウィンドウに映っていた。