思えばあの時も雨が降っていた。

トタン屋根に当たる雨の音で目が覚めた、置時計の針は
8時30分を差している。
夢を見ていた。これ以上ないくらい優しい夢を、そしてこれ以上ないくらい悲しい夢を、よく思い出せないけどそれだけはたしかに分かった。