「雪、止んだね」

窓から空を見上げていた七葉が言った。

洗い物を終えたぼくは、窓辺から外を見た。

電気の消えた夜の街を、満月が照らしている。

七葉と並んで空を見上げていたら、ふいにあくびが出た。

そういえば、さっきより体温も下がっている気がする。
やっと身体が冬眠に入ろうとしているらしい。

冬眠した方が身体にはいいらしいけど、
ぼくはこのまま七葉と起きていたっていいのに。

けれど、ぼくよりあくびが増えた七葉を無理やり起こしているわけにはいかない。

「帰ろう。送るよ」

七葉は首を振った。