「さっき、どうしてあそこで寝てたの?」

いきなり核心をつかれたぼくは、黙り込んだ。
聞こえなかったふりをしようかと思ったけど、
七葉は許してはくれないらしい。
じっと見つめたまま微動だにしない。

答えに窮したぼくは、仕方なく答えを絞り出す。

「……眠かったから」

我ながらつまらない答え。だけど、仕方ない。
理由なんてあるようでないし、あったとしてもそれを言って何になるんだ。

「あんなところで寝てたら死んじゃうよ」

「別にいいよ、それでも」

つい、本音がこぼれた。
彼女はぼくの目をじっと見つめたまま、ふうん、頬杖をついた。