「俺に嘘ついたのか?好きな人はいないって言ったよな?けど…お前のこれを見つけてしまった」と申し訳無さそうに、そして切なそうにそういわれてしまった。

「ごめんなさい。まさか、莉央くんに見つけられるとは思ってもなくて…」と私は言う。

「で、誰なんだ?この書き方…ずっと片想いしてる人がいるってことなんじゃないのか?」と莉央くんに言われて、私は正直に頷いてしまった。

「…もしかして…玲音か?」と莉央くんは言ってきた。

えっ…?何でそうなるの?

せめて嘘でもいいから俺?とか言ってほしかったな。

「…そんなわけ…ないでしょ!」そう言う私の声は自分でもビックリするくらい震えていた。

「今日、コクられてただろ?見てたぞ。アイツか?握手までしてたし…」と莉央くんは言う。

うっ、あれ見られてたのか…ちょっとはずいな。

「違うよ。ちゃんと断ったよ?好きな人がいるからごめんねって…」と私が言うと、

「俺には言う気ないのか?」と莉央くんは言う。

「莉央くんこそ、教えてよ!好きな人のこと!」私は少し強い口調になってしまった。

「そうだな…優しくて可愛いけど少し不器用な人だよ」と私のことをまっすぐ見ながらヒント?をくれた。

「…それだけ?わかんないよ…」と私が言うと、

「いっつも笑顔で…今俺の隣にいる…」ヒントを続けてくれた。

って…えっ?…うん?

オレノトナリニイル…?

って…まさか、私??

私は思わず、莉央くんの顔を見た。

顔を真っ赤にした莉央くんは

「やっと気づいてくれた?遅いよ」と私に言うのだった。