外に出ると、莉央くんがこっちに向かってきてくれた。

「悪いな。いきなり…」と莉央くんが言う。

ううん。全然大丈夫!と私は笑った。

普段は『先生』なんだけど、二人の時は莉央くんって呼ぶことにしている。

これは昔から変わらない。

私たちは並んで歩き始めた。

「天の川見に行こ…なんてかっこつけすぎだよな?」と笑う莉央くん。

「んーそうだね。けど…ロマンチックで素敵だよ。七夕だもん…」私はそう言う。

私たちは近くの公園のブランコに並んで座り、空を見上げた。

夜空には美しく光を放つ無数の星たち…その間に天の川が出来ていた。

「キレ~」思わず私はそう呟く。

「お前のその横顔のほうがもっとキレイだよ…」なんて横から聞こえた。

振り向くと、莉央くんとバッチリ目が合ってしまう。

莉央くん…もしかしてずっと私を見てたのかな?

っていやいや、何を考えてる!私…自惚れたらダメだ。

こんなの莉央くんにとっては普通なんだろうから。

モテる男はこうやってすぐに女をイチコロにするんだから!

けど…月明かりに照らされて白く浮かぶ莉央くんの顔はいつも以上にかっこよく見えて、色っぽく、艶っぽく見えてしまい、私は思わず視線を外した。

しばらくして、莉央くんは私に1枚の短冊を渡した。

内容を見ると…ってこれ、私の短冊じゃん。

確か…ちゃんと笹に吊るしたはずなんだけど…何で莉央くんが持ってるんだろう?

私は不思議に思い、首を傾げながら、莉央くんを見た。

「どーゆうこと?」って。