その日の放課後、、

私はある男子生徒に呼ばれ、中庭にいる。

「あの!俺、美波ちゃんが好きなんだけど…付き合ってもらえませんか?」といきなりの告白を受けた。

同級生の男の子だった。

もちろん私の答えは決まってるNOだ。

でも、嬉しくはある。私を好きだと言ってくれる人がいるのは。

「えっと…昇くん。私のどこがいいの?」私はつい聞いてしまっていた。

どーしてもそれはそうと聞きたい。

「カッコいくて、優しくて可愛いところ。面白いし、明るいし、元気になる。勉強もスポーツも申し分なしで…ヤバイ…俺、言い出したらキリ無いかも…」と顔を赤くして照れてる姿はとても可愛い。

でも…断らなければいけない。

こんなにも自分を想ってくれてる人を振るなんて心が痛いけど…。

「ごめんなさい!気持ちはスッゴく嬉しいの。でも、昇くんのことは友達としてしか見れないわ。私…ずっと片想いしてる人がいるの」と私は本音を伝えた。

「そう。なんかごめんね…あ、いや、今日七夕だし…その…どうしても今日伝えたかったっていうか…」としどろもどろになりながら昇くん言った。

「うん。でも、ほんとにありがとう。気持ちはスッゴく嬉しかった。これからも良かったら友達でいて?」と私は言って、手を差し出した。

「ん!ほんとにありがとう」と昇くんは言うと、私の手を包み込むように、両手で私の手に被せた。

そして、昇くんは去っていった。

そんな様子を大好きなあの人が見てることなんて、私はこのときは思いもしなかった。