そんな私の気持ちを理解して、いつも私のそばにいてくれる人がいる。

彼は同じ学校の1年生で、先生の弟でもある、

夏宮玲音。

七夕が近づいたある日の昼休みのこと、いつものように玲音と過ごしてると、

「ねぇ!美波さ…今年の短冊なんて書いたの?」と聞いてきた。

毎年学校の中には大きな笹が飾られ、

皆が想い想いのことを短冊にしたためて…叶うことを望んでいる。

『コイビトが欲しい』、『お金が欲しい』等様々な想いが、大きな笹をひしめき合わせながら吊るされている。

そんな短冊の1つに私の短冊もある。

女子の中では背の高めの私は上のほうに吊るすんだけど。

「玲音はなんてお願いしたの?私はいつも一緒だよ。願うことは1つだもん…」と私は答える。

「それって…兄貴の恋人?」と玲音は言う。

「そうだよ!で、玲音は?」と私が聞くと、

「俺、特に願うこと無いんだよね。しいて言うなら…美波の幸せ?」なんて可愛いことを言ってくれる玲音。

「もぉ~可愛いこと言ってくれるわね!」と私は言って、玲音の頭を思いきり撫でた。

そしたら玲音は思いきり照れてくれた。