「えー、もうすぐ学年の小テストがあります。 今まで習ってきた復習のようなものです。 ちゃんと家で勉強していればしっかりと高得点が・・・・・・」
しんと静まり返った教室に、担任が入り話を始める。
昨日とほとんど変わりのない、無駄話を聞かされているだけで頭が痛くなる。
私のように頬杖をついたり居眠りの格好で話を聞いている連中が三分の二程度。
赤点も、平均以下も取った事のないハルトは、先生が口を開けると同時に真剣な眼差しで聞いていた。
もちろん百香や私は、その中にも入ろうとはしないけれど。
基本的に私達は、ハルトのような高脳組についていけない。
ついて行こうとしないせいだ。
毎回テストでは、平均を超えるか超えないかの地点をさまよっている。
赤点程の親に見せられないような点数は取った事はなくても、いつも同じ成績、同じ通知表の結果に、変わり映えしないと親に呆れられる。
ハ、という短く吐いたため息さえも、濁った雲の元へ飛んでいきそうだ。
「はい、HR終わります。 一時間目の準備をしてください」
担任が廊下に出た瞬間に、教室は一気にふきかえる。
「あ゛〜! もうあたしダメだわ。 松ちゃんのあの声聞いただけで今回のテスト、ダメな気がしてきた」
どすどすと大股で歩いてきたと思えば、さっきと同じ格好で、私の机に座った。
よく女子校でもないのにこんな事できるよな、と密かに思ってしまう。
「うん、まあね。 でも、今回は私も平均より上目指してるよ。 やっぱもう点数悪い自分に飽きてきたって言うかさ」
えー、という顔で私を見てくる。
きっと、今回も百香は平均前後を行き来する事だろう。
そろそろ志望の大学も決めておきたい頃だし、テストで平均を取って行きたい大学に行けないのもあれだから、やっぱり本気を出さないといけないだろうという、私の考えだ。
「よく勉強しようと思えるよね〜。 あたし全然勉強しようとしてないしさぁ、そろそろヤバいかな」
正直私も、しっかり勉強出来るなんて確信、持てていない。
途中できっと勉強大嫌い病にかかって倒れてしまうだろう。
「あっ、でも優美の場合、ハルトに教えて貰えれば何とかなるか!」
わざとらしく笑った顔に、笑窪が出来る。
百香だって、ハルトに教えて貰いたい癖に・・・・・・。
とうとう私にも嫌味というものが生まれてきてしまった。
これが、信頼の失いという事だろうか。
ハルトは、何かを取りに行くためか、席を立った。
あっと一声あげて百香がその後を、子犬のようにあとをついて行った。
「もう、私はいいや」
失恋して勉強に専念する男子高校生みたいに、私は持ってきていた参考書を開いた。
しんと静まり返った教室に、担任が入り話を始める。
昨日とほとんど変わりのない、無駄話を聞かされているだけで頭が痛くなる。
私のように頬杖をついたり居眠りの格好で話を聞いている連中が三分の二程度。
赤点も、平均以下も取った事のないハルトは、先生が口を開けると同時に真剣な眼差しで聞いていた。
もちろん百香や私は、その中にも入ろうとはしないけれど。
基本的に私達は、ハルトのような高脳組についていけない。
ついて行こうとしないせいだ。
毎回テストでは、平均を超えるか超えないかの地点をさまよっている。
赤点程の親に見せられないような点数は取った事はなくても、いつも同じ成績、同じ通知表の結果に、変わり映えしないと親に呆れられる。
ハ、という短く吐いたため息さえも、濁った雲の元へ飛んでいきそうだ。
「はい、HR終わります。 一時間目の準備をしてください」
担任が廊下に出た瞬間に、教室は一気にふきかえる。
「あ゛〜! もうあたしダメだわ。 松ちゃんのあの声聞いただけで今回のテスト、ダメな気がしてきた」
どすどすと大股で歩いてきたと思えば、さっきと同じ格好で、私の机に座った。
よく女子校でもないのにこんな事できるよな、と密かに思ってしまう。
「うん、まあね。 でも、今回は私も平均より上目指してるよ。 やっぱもう点数悪い自分に飽きてきたって言うかさ」
えー、という顔で私を見てくる。
きっと、今回も百香は平均前後を行き来する事だろう。
そろそろ志望の大学も決めておきたい頃だし、テストで平均を取って行きたい大学に行けないのもあれだから、やっぱり本気を出さないといけないだろうという、私の考えだ。
「よく勉強しようと思えるよね〜。 あたし全然勉強しようとしてないしさぁ、そろそろヤバいかな」
正直私も、しっかり勉強出来るなんて確信、持てていない。
途中できっと勉強大嫌い病にかかって倒れてしまうだろう。
「あっ、でも優美の場合、ハルトに教えて貰えれば何とかなるか!」
わざとらしく笑った顔に、笑窪が出来る。
百香だって、ハルトに教えて貰いたい癖に・・・・・・。
とうとう私にも嫌味というものが生まれてきてしまった。
これが、信頼の失いという事だろうか。
ハルトは、何かを取りに行くためか、席を立った。
あっと一声あげて百香がその後を、子犬のようにあとをついて行った。
「もう、私はいいや」
失恋して勉強に専念する男子高校生みたいに、私は持ってきていた参考書を開いた。