『おかえり~!』

莉乃ちゃんが、ふらーっと手を振ってくる。

『ただいま〜』

私も、ふらーっと返事をする。

『かれーん!体育館シューズあったの!?』

莉乃ちゃんは、驚きながら聞いてくる。

『さっき、
吉田先生から届けてもらったの〜』

ニコッと頬をゆるめながらふんわりした声で
話す。

『良かったじゃぁーん!てか、吉田やるーっ』

ふははは~。

『ほんとに、助かった〜!』

私たちは一点の曇りもない
笑顔を見せあった。

こんなことで喜べるなんて、単純だなぁと
改めて思う。

『ならんでー。』

学級委員の、冷静な指示でさっきまで
ざわざわしていたクラスが、一瞬で
静まり返った-。