私は、吉田先生の後に続き、廊下に出る。

よく見ると先生の手には、
私の物だと思われる体育館シューズが
握られていた。

『あぁぁっ、体育館シューズ!!』

私は思わず呟く。
と同時に、良かったぁ~と、安堵のため息が
もれる。

『これ、私のですよね??』

ちょっぴり不安になって、思わずわけの
わからないことを聞いてしまう。


先生は、ふっと笑うと

『これ、かれんのじゃない~』

そう言ってふざけてのってくる。
真面目に聞いたはずなのに、いつの間にか
おふざけの会話に変わっていた。

『いや、私のですよ~、くださーい~』

最初に聞いたはずなのに、私のですなんて
勝手に宣言してしまっている。

『これ私のですか?って最初に聞いたの
お前だろ(笑)??』

先生は、優しく微笑みながら言っている。

『あー、そうしでした~(笑)』

その微笑みに、私も優しいほほ笑みを
返しながら言葉を返す。

『はい、体育館シューズ~』

手に握っていた体育館シューズを、先生が
私の手の中へとそっと手渡す。

『ありがとうございます!!』

私は、その体育館シューズを
優しく受け取る。

先生の後ろ姿をじーっと見てると、先生が
こちらを振り返ってニコッと笑った。
その顔を見て、じわぁっと顔が熱くなる。
あぁ、やっぱり好きだって思ってしまった。