新学期ー。
この校舎で満開の桜を見るのも3回目。
これで最後だと思うとちょっぴり寂しい。

私、本田楓恋は、高校3年生。
なにか特にできることがあるわけでもなく、
どこにいでもいるLJK。
今は、親友である萌香と、学校までの道のりを楽しく歩いている。



『それでねっ、それで、彼クンがねっ・・・
って、楓恋!?ちょっと聞いてる〜?』

今は毎朝定番、萌香ののろけ話の最中だ。
萌香と彼氏サンとのお話は、
とっても微笑ましい。

『はーいはいっ、ってさ、前から
気になってたんだけど、
萌香の彼氏って誰なの?
ねぇねー、このがっこうなんでしょ?』

にやにやしながら、萌香の方を見る。

『えぇーっ、そこ、ストレートに聞く?』

萌香の頬がほんのりと赤く染まる。

『聞く! 』

『しょうがないなぁーって、私、3年間の中で
楓恋の恋バナ聞いた事なぁーい!』

萌香のその言葉に、私はへっ?と、思わず
声をあげる。

『えぇーっと、それはぁ~、』

私は、嘘がつくのが下手だ。
随分と顔に出る。
だから、こういう時に困る。
まぁ、親友だし、萌香ならいっか~と、決断をくだし、口を開いた。

『しょうがないなぁ~、
誰にも言ってないんだからね〜、』

『えぇー、ほんとにっ!?ありがと!』

萌香から、笑みが溢れていく。
本当に萌香は素直で可愛い。
私と比べ物にならないぐらいで、
あんなに素直になれたらなぁと
思ってしまう。