探し始めてから、何分ほどたっただろうか。

すーっ。
視線の斜め前ほどに、人影が現れた。
すらっと背が高くて。
優しくて、暖かい背中が。

あぁ。
好きだ。

しばらく見つめている。
途中、途中、校長の方を見ながら、
話を聞いているフリをした。

でも夢中になっているのは、先生だった。
一度視界に入ってしまったら、彼の姿を
視界から消すことは出来ない。
いや、消したくない。
ずーっと見つめていたくなる。

2年生の時は、こんなにも見つめたりなんて
しなかったのに。
今年卒業だからだろうか、ちょっとばかり
アピールしたくなる。
だからだろうか、
こんなに見つめてしまうのは・・・。