教室を出て廊下を歩いていると、「清原さん待って!」と私の名前を呼ぶ声がする。
後ろをそっと振り返ると、同じクラスの寺坂(てらさか)駿(しゅん)がいた。
高身長で黒縁メガネがよく似合う。
メガネを外した姿はまだ見たことがない。
いつも休み時間にペンを動かしているか、本を読んでいるイメージがある。
大人しい。読書家が私の第一印象だった彼。
「あの…」
関わることがないと思っていたから、驚きが隠せない。
もしかして同じ名字の人かな?と思い、辺りをキョロキョロした。
「清原美和さん」
「私の名前、覚えてるんだ…」
「そりゃ同じクラスなんだから」
寺坂くんは一直線に私を見た。
何を話せばいいのか分からず、緊張して唾を呑み込む。
「寺坂くん、どうしたの?」
寺坂くんは一度も笑顔を見せないまま、真顔で言い放った。
「あのさ、突然なんだけど俺の彼女にならない?
1日俺の彼女になってくれたら、1000円あげるから」
後ろをそっと振り返ると、同じクラスの寺坂(てらさか)駿(しゅん)がいた。
高身長で黒縁メガネがよく似合う。
メガネを外した姿はまだ見たことがない。
いつも休み時間にペンを動かしているか、本を読んでいるイメージがある。
大人しい。読書家が私の第一印象だった彼。
「あの…」
関わることがないと思っていたから、驚きが隠せない。
もしかして同じ名字の人かな?と思い、辺りをキョロキョロした。
「清原美和さん」
「私の名前、覚えてるんだ…」
「そりゃ同じクラスなんだから」
寺坂くんは一直線に私を見た。
何を話せばいいのか分からず、緊張して唾を呑み込む。
「寺坂くん、どうしたの?」
寺坂くんは一度も笑顔を見せないまま、真顔で言い放った。
「あのさ、突然なんだけど俺の彼女にならない?
1日俺の彼女になってくれたら、1000円あげるから」