「そっか、それならいいんだけど」
楓はそう言い、ミッキーへ視線をうつした。
「こんにちは」
ミッキーが言うと、楓がぎこちない笑顔を浮かべる。
「こんにちは。猫?」
楓はミッキーに挨拶をし、そしてあたしに聞いて来た。
「うん。学校の敷地内で生まれたみたい」
「そうなんだ。2人とも猫が好きなの?」
楓に聞かれて、あたしとミッキーは同時に頷いた。
シンクロした返事に楓がプッと噴き出して笑う。
「2人とも、似た者同士なんだね」
「そうかなぁ?」
ミッキーと似ていると言われるのは嫌じゃなかった。
少し照れてしまう。
「似てるでしょ?」
ミッキーはなぜだか自信満々にそう言い、ニッと白い歯をのぞかせた。