「あ、美紗っち今なんかひどい事考えたでしょ?」


「え、いや、なんで?」


あたしは慌ててミッキーから視線を逸らした。


目が覚めた子猫が大きな欠伸をしている。


「そういうのよくないよ。相手にはすぐに伝わるんだから」


ミッキーがあたしの隣でふくれっ面をしている。


妙に勘が鋭いみたいだ。


「美紗」


後ろからそう声をかけられて振り返ると、楓が立っていた。


走って来たのか息が切れている。


「楓!?」


あたしは驚いて立ち上がる。


「顔色が悪かったから、心配して追いかけて来た」


そう言い、呼吸を整える。


「ごめんね楓。もう大丈夫だから」


ミッキーと一緒にいると心が落ち着く。


自然な笑顔に戻る事ができる。


だからもう大丈夫だ。