それからあたしたちは久美の家へと向かった。


どうやら久美は昨日購入した物をみんなに自慢したいらしかった。


化粧品を山ほど購入したのだろう。


あたしは昨日の久美を思い出してそう思った。


久美の家は歩いて20分ほどの場所にある住宅街だった。


大きな一軒家が立ち並んでいるその1つが久美の家。


おじいさんの代から始めた会社がうまく行っているようで、久美はちょっとしたお嬢様なのだ。


化粧品を沢山返るのもそれが関係しているのかもしれない。


家の中に入るとすぐに部屋に通された。


2階の一番奥にある部屋。


家具やカーペットはすべてピンク色で統一されていて、男子たちが「うわぁ」と、げんなりした声を上げた。


女のあたしでも足を踏み入れがたい空間だ。


「なによ、あたしの部屋に文句があるの?」


久美にそう言われ、男2人は慌てて左右に首を振っていた。


「しっかし、すげぇ部屋だな」


久美が部屋を出た後、透がそう言って笑った。