「そろそろ帰る」
そう言ってベンチから立ち上がったのは空がオレンジ色になりはじめた頃だった。
「え、もう帰るの?」
うたたねをしていたミッキーがハッと気が付いたようにそう言った。
「もう5時が来るよ。ミッキーもそろそろ帰れば?」
結局、こんな時間になるまでミッキーと一緒だった。
ミッキーが好きだと言う沈黙もなぜだか苦しくなくて、気が付けばあたしもうたたねをしてしまっていた。
はじめて会った野郎の前で眠ってしまうなんて、不覚だ。
「明日は、また来る?」
ミッキーにそう聞かれてあたしは立ち止まった。
「さぁ……。なんで? あんたは来るの?」
「俺? 俺はたぶん、そうだなぁ……?」
自分から聞いておいて悩むなよ。
あたしは呆れて小さく笑った。
「あ、笑った!」
「え?」
「今日会って初めて笑ってくれたね、美紗っち!」
そう言われ、あたしは自分の頬に触れた。
そう言ってベンチから立ち上がったのは空がオレンジ色になりはじめた頃だった。
「え、もう帰るの?」
うたたねをしていたミッキーがハッと気が付いたようにそう言った。
「もう5時が来るよ。ミッキーもそろそろ帰れば?」
結局、こんな時間になるまでミッキーと一緒だった。
ミッキーが好きだと言う沈黙もなぜだか苦しくなくて、気が付けばあたしもうたたねをしてしまっていた。
はじめて会った野郎の前で眠ってしまうなんて、不覚だ。
「明日は、また来る?」
ミッキーにそう聞かれてあたしは立ち止まった。
「さぁ……。なんで? あんたは来るの?」
「俺? 俺はたぶん、そうだなぁ……?」
自分から聞いておいて悩むなよ。
あたしは呆れて小さく笑った。
「あ、笑った!」
「え?」
「今日会って初めて笑ってくれたね、美紗っち!」
そう言われ、あたしは自分の頬に触れた。