瞬時にして机の中や鞄の中に入れられていた合成写真を思い出す。


嫌な汗が背中に流れて行く。


「美紗、大丈夫?」


あたしの異変に気が付いた楓が心配そうにそう聞いて来た。


あたしは曖昧にほほ笑み、頷いた。


ここまで来てやっぱり帰るなんて言えない。


そんな事を言えば久美の機嫌が悪くなることは目に見えていた。


だから、あたしが我慢するしかないんだ。


楓があたしの手を握りしめて来た。


「なんとなく、わかるよ」


楓が不意にそう言って来た。


「え……?」


「あたしと美紗はこのグループの中じゃ最下位だからね」


あたしは何も返す事が出来なかった。