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家に戻ってきてあたしは自分の部屋のクローゼットの前で仁王立ちをしていた。


1度久美と遊びに出たことがあるのだが、その時に地味な服を着ていたため久美は随分と腹を立てた。


自分と一緒に歩いている子が地味な服を着ているのが嫌なのだそうだ。


その時の久美の服装はピンク色のミニのワンピースにハイヒールだった。


一見すると、とても高校生には見えなかった。


だけど、もちろんあたしはそんな服は持っていない。


ズボンとTシャツがほとんどだった。


そんな服装で行けば、きっと久美はまた怒りはじめるだろう。


そう思うと憂鬱な気分が倍増していく。


友人と出かけるだけなのに、なんでこんなに気をつかわなきゃいけないんだろう。


それって本当の友人って言えるのかな?


そう思いながら、あたしは服を選んだのだった。