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楽しいはずのショッピングが途端に憂鬱なものに代わってしまった。


「久美ちゃんって子、ちゃんと化粧してて大人っぽかったわねぇ」


車の中で、お母さんは嬉しそうにそう言った。


あたしに明るい友人がいると知って、安心もしている様子だ。


「ケバイだけだよ」


あたしは思わずそう言った。


久美は化粧品を次から次へと買い替える。


しかも高級化粧品だ。


それでもバイトをしている様子もなく、一体どこからそんなお金が出てくるのか不思議だった。


どうせろくでもない所からお金をとってきているのだろう。


そう思っていた。


「そんなこと言わないの。美紗もそろそろ化粧くらいしなきゃね」


そんなお母さんの言葉に、あたしは返事をしなかったのだった。