今日は休日だから誰にも会わなくて済むと思ってたのに、なんでこんな所で会っちゃうんだろう。


目が合い、名前まで呼ばれたのだから無視はできなかった。


あたしはぎこちなくほほ笑んで「偶然だね」と、言った。


「美紗の友達?」


お母さんにそう聞かれて、あたしは曖昧に頷いた。


友達じゃない。


なんて、言えなかった。


久美はあたしに近づいて来て「なんだ、美紗もここの化粧品好きなんじゃん!」

と、背中を叩いて来た。


その力の強さに顔をしかめる。


「まぁ、うん……」


今朝チラシを見た時に気が付くべきだった。


あたしはそう思い、唇をかんだ。