こんなに学校を早退していたら、そろそろ親に連絡が行くかもしれない。


そんな事を思いながらも、あたしは学校を後にした。


荷物を取りに教室へ戻った時も、みんな変わった様子はなかった。


本当にこの中にイジメの犯人がいるのかどうか、疑ってしまうくらい自然だった。


早退するあたしを心配してくれるし、下駄箱まで見送ってくれる。


本当ならそんな優しい子たちの事を疑いたくはなかった。


あたしは1人でブラブラと歩く。


太陽はまた高く、とても天気がいい。


真っ直ぐ帰る事はできないので、時間を潰すために遠回りをする。


そうして歩いていると、スマホが震えた。


確認してみると、それは楓からのメールだった。


《大丈夫?》


たった一言のメール。


すぐに返事をしようと思ったが、途中で指先が止まってしまった。