もしそうだとしても、そこまで怨まれてしまう理由がわからなかった。


知らないうちに誰かを傷つけてしまっていたのだろうか。


そう思った時だった。


足音が聞こえて来てあたしは振り向いた。


「富田さん、なにしてるんだ?」


「明人君……」


明人君は保健室に置かれているゴミ箱を片手に歩いて来た。


「別に、なにも」


焼却炉の中にはもう燃えカスが残っているだけだった。


「そっか。俺は先生の掃除の手伝い中。今保健室を大掃除中なんだ」


「そうなんだ」


「あぁ。昼休み返上で片づけなんて、俺って憐れだろ?」


明人君はそう言い、泣きまねをして見せた。


そんな明人君にあたしは笑った。