「美紗っち大丈夫? 疲れてる?」


ミッキーが心配そうにあたしの顔を覗き込む。


「大丈夫だよ」


そう言いながらも、笑顔になれなかった。


ミッキーの前だと無理をすることもできない自分がとても不思議だった。


「本当に? 顔色が悪いよ?」


ミッキーがそう言い、ふいにあたしの額に手を当てて来た。


驚き、飛びのくあたし。


「あ、ごめん」


ハッとしたようにミッキーが言う。


だけど申し訳ないとは思っていなさそうな顔だ。


ミッキーに触れられた額が熱を帯びているのがわかる。


「あ、あたし、もう行かなきゃ」


あたしは早口でそう言い、ミッキーを置いて校門をくぐったのだった。