楓の事は友達だと思っているけれど、あのサイトを思い出すと胸が苦しくなる。


「か……えで……」


あたしの喉はようやくそれだけの単語を発した。


「お姉ちゃん、早く遊ぼうよ!!」


そんな声にハッとして視線をうつすと、そこには楓にそっくりな女の子がいた。


どうやら、妹を遊ばせに来たらしい。


「滑り台に行っておいで」


楓は妹へ向けてそう言うと、あたしに近づいて来た。


あたしは自然と視線をそらせてしまう。


「はじめまして」


楓が隣のミッキーにそう言っているのが聞こえて来た。


「初めまして」


ミッキーがいつもの調子で返事をする。


顔を上げると、楓があたしとミッキーを交互に見て怪訝そうな表情を浮かべていた。



「あ、えっと。この人はミッキー。あだ名、なんだけどね」


慌てて楓に紹介する。


紹介すると言っても、あたしの知っていることはミッキーというあだ名だけなので、これ以上のことはなにも言えない。


「ミッキー?」


楓は更に怪訝そうな顔になった。


「よろしく」


ミッキーはそんなことおかまいなしに、楓に手を差し出した。


楓は一瞬身を引き、そしてミッキーと握手をした。