☆☆☆

数十分後。


あたしはミッキーとブランコに乗って大きな声を上げて笑っていた。


立ちこぎをしてグングン飛ばせば空がグッと近くなる。


その景色がとても綺麗で心地よく感じられた。


あたしの隣ではミッキーが恐る恐る立ちこぎをしているのだが、ブランコの上に立つだけで足が震えてしまっている。


「ミッキー無理しなくていいよ」


笑いを押さえながらあたしはそう言った。


立ちこぎができない男の子なんて、初めて見た。


ミッキーは目に涙を浮かべでブランコの鎖に掴まっている。


その様子はやっぱり面白くて噴き出した。


「なんだよさっきから、笑ってばっかり!!」


ミッキーはさすがに気分を悪くしたのかあたしを睨み付けて来た。


そして地面に下りると普通にブランコをこぎ始めた。


「ごめんごめん、まさかブランコに立つ事ができないなんて思わなくて」


そう言いながらまた笑いが込み上げて来る。


あたしはミッキーと同じようにブランコに乗り直し、今度はゆっくりとこぎ始めた。