「なんだ、それなら丁度よかった」


先生はそう言うと同時にあたしを腕を掴み、あたしを保健室の中へと引きいれていた。


強引に保健室の中に入れられたあたしは体のバランスを崩してこけそうになってしまう。部屋の中央あたりでなんとか踏みとどまり、先生を睨んだ。


「なにするんですか、危ないじゃないですか」


「まぁまぁそんなに怒らないで。こいつ、いつもここで1人で昼飯食べてるんだよ、よかったら一緒に食べてあげてよ」


そう言い、先生が明人君の横にパイプ椅子を置いた。


生徒用の机よりも少し広いだけの先生の机に並んで座るのは、ちょっと抵抗がある。


距離が近すぎる。


そう思って動けずにいると、先生が「あれ? そういえばあなたはなんで保健室に来たの?」と、今更のように聞いてきた。


「いえ、別に……」


保健室に昼ご飯を食べに来ました。


とは言えない。


あたしは口ごもりながら返事をして、すぐに椅子に腰かけた。