弟の存在を知ったあたしに、お母さんたちは沢山の写真をみせてくれた。


それはすべてお母さんのお腹が大きかった頃の写真だ。


その写真の1つに、見覚えのあるものを見つけた。


ミッキーが持っていた買い物袋を、お母さんが持っていたのだ。


聞いてみると、今はなくなってしまったがこの近くに小さなスーパーがあり、運動のために毎日買い物へ行っていたそうだ。


ミッキーが持っていた見たこともない買い物袋を思い出し、クスッと笑う。


ミッキーはあの頃のお母さんと同じように、今はなくなってしまったスーパーに買い物に行っていたようだ。


ミッキーはいなくなってしまったけれど、あたしの胸の中に存在している。


短い間だったけれど、あたしを支えてくれた人をあたしは絶対に忘れない。


「ミッキーも、誕生日おめでとう」


エコー写真の中のミッキーにそう声をかけると、どこからかミッキーの楽しげな笑い声が聞こえて来た気がしたのだった。


END