「これはなに?」


「それはエコー写真よ。お母さんのお腹の中にいたころの写真」


お母さんとお父さんは懐かしむように目を細めてそう言った。


自分のエコー写真を見たことなんてなかったあたしは興味を引かれ、写真を手に持ってマジマジと見てしまう。


だけど、やっぱりどこにあたしが写っているのかイマイチわからない。


「美紗、実はね……」


グラスにジュースをそそいでくれていたお母さんが、何かを決心したような表情になってそう言った。


「え、なに?」


あたしはエコー写真から顔を上げる。


「あなたが産れて来たとき、本当はもう1人いたのよ」


「え……?」


突然の告白にあたしは理解することができなかった。


もう1人いた。


とは、どういう意味なんだろう?