こんな盛大なお祝いをしてもらったのは小学生以来だ。


あたしは目を白黒させて部屋の中を見つめる。


リビングのテーブルにはホールのケーキが用意され、ロウソクまでささっている。


「もしかして、このために2人とも会社を休んだの?」


「娘の誕生日なんだ。このくらい当然だろ?」


「そうよ。美紗はお父さんとお母さんの宝物なんだから」


あたしは少々呆れながらもソファに座った。


田村先生のことがあったから、ここまで盛大にお祝いをしてくれているのかもしれない。


両親に気を遣わせてしまって申し訳ない気分と、嬉しい気持ちが相まってあたしは曖昧な笑顔になっていた。


「ありがとう」


あたしは両親の気持ちを素直に受け取り、ケーキを見つめた。


ケーキの前にはあたしが産れたころの写真が置かれている。


病院のベッドで顔をクシャクシャにして泣いているあたしだ。


その横に白黒でなにが写っているかよくわからない写真が置かれている。