「え?」


久美はミッキーを見て眉間にシワを寄せている。


「結構イケメンでしょ? あたしの友達」


自信満々にそう言うと、今度は透が「ミッキーって? え?」と、首を傾げた。


「だから、これがミッキーだってば」


あたしはそう言い、ミッキーの腕を掴んで引き寄せた。


みんなミッキーのカッコよさに唖然としているのかもしれない。


そう思っていると、楓があたしの手を離し左右に首を振った。


「どうしたの楓?」


そう聞くが、楓は答えずにうつむいた。


明人君は気まずそうにあたしから視線をそらせている。


「ミッキーって誰? そこに誰かいるのか?」


拓夫が怪訝そうな表情を浮かべてあたしの隣を指さした。


それは紛れもなくミッキーが立っている場所で……。


「え? みんな、なに言ってるの? この人がミッキーだってば」


「美紗、やめなよ」


楓が消え入りそうな声でそう言った。