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犯人は思いもよらぬ人物だった。


明人君と透が犯人がわかっていながら何もできない理由も、これでわかった。


「明日の学校、どうする?」


お母さんの運転で家まで帰っている途中、後部座席に並んで座っていた楓がそう聞いて来た。


「どうするって言われても……」


あたしは困ってしまって眉を下げた。


事件はすべて解決した。


あとは警察が動いてくれるだろうから、あたしがやるべきことは何も残っていない。


「とりあえず、普通に登校するよ」


「保健室に? それとも、教室に?」


あぁ、楓はその事を聞いていたのか。


「……教室に、明人君と一緒に」


あたしはそう返事をしたのだった。