「まぁいっか。あたしたちだってミッキーの友達だからね」


気を取り直してそう言うと、ミッキーの頬が赤く染まった。


「友達……?」


「そうだよ。何度も会って会話して、相談も乗ってもらってるし、もう友達――きゃぁ!?」


『友達でしょ?』と言いたかったのに、その瞬間ミッキーに抱きしめられてしまったあたしは悲鳴を上げてしまった。


ミッキーは両手に力を込めるので、あたしは息をすることも苦しくなってしまう。


ま、待って!


こんなところ誰かに見られたらどうするの!?


混乱する頭でそう考えるけれど、言葉にならない。


慌てふためきながらどうにかミッキーを自分の体から引き離した。


「ミッキーってば、そんなに友達が嬉しいの?」


楓が笑いをこらえながらそう言った。


「嬉しいよ! すっごく嬉しい!」


そう言って楓にも抱き着こうとしたのだが、楓は軽い身のこなしミッキーから離れると明人君をミッキーの前へと押しやった。