「久美の行動は彼氏である俺が管理する」


キッパリと言い切った透にあたしは瞬きを繰り返した。


「管理ってそんな……。もしかして、あたしのために?」


「勘違いするなよ。俺だって好きじゃない女と付き合ったりなんてしないからな」


そう言う透にあたしは更に目を見開いた。


「それってつまり、透は久美の事が……?」


「言わせようとするなよ」


透は顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。


どうやら透の気持ちは本物のようだ。


そんなこと少しも感じさせなかったから、驚きが隠せない。


「あのサイトが乗っ取られてることも、俺が説明したら久美は納得してくれた。だけど、その前に美紗のサイトをクラス中に垂れ流してしまっていたから、今はクラスメートたちからの攻撃の方が心配なんだ」


あの久美が透の言葉を素直に信じるのが信じられない。


恋の力はあたしが思っている以上の効果があるようだ。


唖然としたままでいるあたしを見て透は「聞いてんのか?」と、呆れた声で言ったのだった。