素直に言えばミッキーの存在も知られてしまう。


見知らぬ男の子と1日一緒にいたなんて言えない。


やましい事なんてしていないけれど、それを信用してもらえるとも思わなかった。


「学校に行かなかったんだろ?」


「……うん」


あたしはうつむき、自分の手の拳を見つめた。


悪い事をしてしまったという自覚があるから、胸が苦しいんだ。


「どうして行かなかったの?」


お母さんの問いかけにあたしはそっと顔を上げた。


お母さんは今にも泣きだしてしまいそうな顔をしている。


いままでずっといい子だったあたしに、裏切られたと感じているのだろうか。


そう考えるとこの場から逃げたしたい衝動に駆られる。


あたしは両親のためにいい子でいたワケじゃない。


それがあたしにとって普通だったから、そうしていただけだ。


今までは。


だけど子供のあたしだって毎日状況は変化しているのだ。