「え?」


なんのことだろうと、瞬きを繰り返す。


「知らないの? 久美はずっと透のことが好きだったんだよ」


清香の言葉にあたしは目を見開いた。


「嘘……」


「こんな所で嘘つくわけないじゃん。それでさ、昼間の出来事のせいで透の態度が変わったいうかさぁ」


清香が説明する声がどこか遠くに感じられた。


久美が透を好きだったなんて、全然気が付かなかった。