翌日になってもミッキーが握ってくれた手の温もりは消えていなかった。


不思議な子だ。


そう思って自分の手のひらをジッと見つめる。


「どうかしたの?」


お母さんにそう聞かれて、あたしはすぐに「なんでもない」と、返事をした。


ミッキーのことは両親には話せていない。


知らない男の子と仲良くなったなんて言えば、無駄に心配させてしまうだけだとわかっているから。


「学校行ってくるね」


そう言い、あたしは鞄を持って家を出たのだった。