「美紗っちはなにも悪くないってこと」


キッパリと言ったミッキーに、自分の心がジワリと温かくなるのを感じた。


あたしは悪くない。


そんなことわかっていたことだったのに、こうして第三者に言ってもらえることで安堵と自信が湧いてくる。


「そう……だよね?」


あたしは再度確認するようにミッキーへそう聞いた。


「そうだよ。美紗っちは悪くない。もっと自信を持って、堂々と学校へ行けばいいと思う」


ミッキーはそう言うとあたしの両手を包み込んでくれた。


とても暖かな手に包まれて安堵感が広がって行く。


男の子の大きな手の平とあたしの手が一体化していくような、不思議な感覚がした。


まるでミッキーがあたしの中に入り込み、直接心を温めてくれているように感じられる。


「そろそろ帰ろうか」


ミッキーに言われて我に帰ると、周囲はすでにオレンジ色に包まれていたのだった。