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教室内は地獄だった。


あちこちから聞こえてくるコソコソとした話し声が、全部自分の悪口に聞こえてしまう。


久美と清香の2人はわざと聞こえてくるように悪口を言っているし、透と拓夫の2人は素知らぬ顔をしている。


心がどんどん疲弊していくような感覚だ。


こんな空間にいたら狂ってしまいそうな気さえする。


「美紗……」


その声にビクリと体を震わせた。


条件反射で身構えてしまう。


「美紗、大丈夫?」


楓の言葉にあたしはホッと安堵の息を吐き出した。


「大丈夫だよ」


そうは言ってみても、やっぱり笑顔にはなれなかった。


「久美たちと喧嘩でもした?」


その質問に思わず笑ってしまう。


ただの喧嘩ならどれだけマシかと思ってしまう。